プラグインとテーマ
プラグインもテーマも必要最小限に
テーマやプラグインに残っている脆弱性はサイバー攻撃に使われます。WordPress でも,攻撃の大部分は WordPress 自体ではなくプラグインやテーマを狙うものです。
パフォーマンスへの悪影響も無視できません。
使うのは必要最小限のプラグインだけにとどめることをお勧めします。特にプラグインは,特に理由がなければ Grav 公式のものだけをつかうことをお勧めします。
プラグイン
入れておきたいプラグイン
Sitemap
検索エンジンが使う sitemap.xml
を生成します。
無くてもリンクを辿ってインデックス自体はされますが,検索流入サイトが少ないサイトではクロールも少ないので,なかなかサイト全体がインデックス登録されない可能性があります。その場合,検索に引っかからないので検索流入も増えにくいだけでなく,コンテンツをコピーするスパムサイトが本家だと誤認されるおそれさえあります。
ごく小さく副作用もないプラグインなので,とりあえず入れておいてよいと思います。どうして Markdown Notices が標準バンドルで Sitemap がそうでないのかは理解に苦しみます。
Custom CSS
WordPress でいう追加 CSS を挿入できるようにするプラグインです。
サイトデザインをちょっと手直ししたい場合,テーマ自体を編集するという方法もありますが,
- アップデートで変更部分が飛ぶ
- トラブル発生時の切り分けに支障をきたすおそれがある
- そしてなによりめんどくさい
という問題があります。
Custom CSS を使って指定すれば,手軽にカスタマイズできて便利です。
Auto Date
Grav では記事の標準では記事の作成日は保存されないようです。これでは後々管理が面倒になりそうです。
この小さなプラグインを導入すると,記事の作成時に日時をメタデータとして保存してくれます。
検討の価値があるプラグイン
Frontend Edit Button
公式のプラグインではありませんが,使うのはアクセスがない最初期だけなので特に問題はありません。サイトの各ページに,そのページの編集画面へのリンクのボタンを表示する単純なプラグインです。
特にそのテーマに慣れないうちは,エディタの簡易レンダリングでは仕上がりのイメージは掴めません。このプラグインを導入すれば,表示の確認と編集を素早く繰り返すことができます。
ただし,ログイン状態に関係なくボタンが表示されることに注意が必要です。訪問者の邪魔になりますので,ある程度サイトが仕上がって必要なくなってきたら削除しましょう。
Breadcrumbs
「パンくずリスト」を自動的に挿入するプラグインです。
テーマによっては表示がおかしくなることも多いですが,うまい感じに表示してくれるテーマであれば,ぜひ活用したいところです。
Page Inject
あるページの内容を別のページに挿入できるようにするプラグインです。
SNS シェアボタンを追加する場合などに便利かと思います。
Page Toc
目次を追加できるようにするプラグインです。
AdvancedPageCache
Grav は標準でもキャッシュを利用しますが,キャッシュされた静的なページのみを返すようにするプラグインです。
表示速度を改善しますが,サイトによっては問題が生じる可能性があります。
ブログ用プラグイン
ブログで導入しておいたほうがよいプラグインは別途「ブログとして使う」で触れていますので,あわせてご確認ください。
テーマ
まず Skeleton を確認する
Admin Panel からテーマをインストールすることもできますが,基本的には "Skeleton" として Grav 本体や推奨プラグインごと扱うことが前提とされているようです。特に公式のテーマは,あとからテーマだけ導入すると小さな問題が生じることが多いです。また,対応している template の種類がテーマによって違うため,テーマを変更すると問題が生じることがあります。
まず Skeleton がないか確認して,ある場合はそれを利用するのが安全です。
Gantry 5 テーマ (Hydrogen, Helium)
Gantry 5 は,プラグイン (Gantry 5 Framework) と対応テーマの組み合わせによって比較的柔軟なカスタマイズを実現しています。Skeleton はなく,プラグインとテーマをそのまま導入すれば正常動作します。
無料の対応テーマとしては Hydrogen と Helium があり,前者は個人サイト向き,後者は企業・仕事サイト向きという印象があります(もっとも,カスタマイズで全く別モノにすることも可能です)。
このサイトでは Hydrogen を採用しています。
唯一の欠点は,ブログとしての利用には対応していないことです。
Vela
Grav のテーマは最低限の初期設定をするにもファイルを編集する必要があるものがほとんどですが,Vela はインストールしてすぐ使うことができます。こちらも Skeleton 不要です。
見た目もシンプルかつモダンで,初心者にもお勧めのテーマです。
これもブログには対応していません。
TwentyFifteen
ブログ用のテーマです。WordPress の TwentyFifteen を移植したものです。Skeleton で導入します。
「ブログとして使う」で詳しく説明していますので,あわせてご覧ください。
説明を読みながら設定すれば,初心者でも簡単に使えるはずです。
Lingonberry
限られた機能だけを持つブログ用テーマです。これも Skeleton で導入します。
正直なところ積極的に選ぶテーマではありませんが,Admin Panel の GUI だけで初期設定を完結できる公式のブログ用テーマはこれが唯一かと思いますので,ここで紹介しておきます。